五行思想における「秋」と「肺」、そしてそれに関連する鍼灸の治療では、季節や臓器のバランスを整えるために特定のツボ(経穴)が用いられます。

秋は乾燥が強くなり、肺の不調や呼吸器系のトラブルが現れやすい時期です。そのため、肺をケアするために鍼灸が効果的です。

【五行と肺】
五行の中で秋は「金」に対応し、体の臓器では「肺」が属します。

肺は呼吸器系を司り、酸素を取り込み、体内の気(エネルギー)を巡らせる役割を果たしています。

秋になると空気が乾燥し、肺が影響を受けやすくなるため、乾燥や風邪、喘息などの症状が現れることがあります。

【鍼灸と肺のケア】
肺の健康を促進するために、鍼灸では以下のようなツボを使って調整を行います。これにより、呼吸器系の働きを整え、体のバランスを改善します。

●肺に関連する代表的なツボ
1. 列欠(れっけつ)
– 位置: 手首の上側、腕の内側で親指側にあるツボ。
– 効果: 肺経に属し、呼吸器の不調(咳、息切れ、喉の痛みなど)に対応。肺の気を補い、体内の水分バランスを保つ働きもあります。

2. 尺沢(しゃくたく)
– 位置: 肘の内側にあり、曲げた時にできる横シワの親指側。
– 効果: 肺経の重要なツボで、咳や気管支炎、喉の痛みを和らげます。肺の熱を取り、乾燥や炎症を抑える効果があります。

3. 太淵(たいえん)
– 位置: 手首の横シワの上、親指の根元にある。
– 効果: 肺経の原穴であり、肺全体の気を調整します。呼吸を深め、免疫力を高める効果が期待できます。

4. 中府(ちゅうふ)
– 位置: 鎖骨の下、胸の上部に位置する。
– 効果: 肺の不調、特に咳や喘息に対して用いられます。また、胸の詰まりや緊張を和らげる効果があります。

【秋における肺のケアと鍼灸の重要性】
秋は肺が乾燥しやすく、呼吸器の不調が現れることが多い季節です。

鍼灸では、肺経に属するツボを使って肺の気の流れを整え、呼吸器系の改善を目指します。

また、肺は免疫力とも関連しているため、肺をケアすることで風邪やインフルエンザの予防にも役立ちます。

秋の季節に肺を意識した鍼灸の施術を行うことで、体全体のバランスが整い、季節の変わり目を健康に過ごせるようになります。

風邪を引きやすい方は是非当院にご相談ください。