東洋医学では、痛みを身体の気血や経絡、臓腑のバランスの乱れによって生じるものと捉えます。

痛みの種類を東洋医学的に分類すると、以下のように説明できます。

 

  1. 気滞(きたい)による痛み

– 特徴: 張るような痛み。ストレスや精神的負担で悪化。

– 原因: 気の流れが滞ることで、痛みや不快感が生じる。

– 例: 胃の膨満感、胸の圧迫感、月経前の腹痛。

 

  1. 血瘀(けつお)による痛み

– 特徴: 固定された刺すような痛み。押すと痛みが強くなることが多い。

– 原因: 血流の滞りによって瘀血(血の滞り)が発生し、痛みを引き起こす。

– 例: 慢性的な頭痛、月経痛、怪我の後の痛み。

 

  1. 寒邪(かんじゃ)による痛み

– 特徴: 冷えによって痛みが強まる。温めると軽減する。

– 原因: 外部からの冷え(寒邪)が身体に侵入し、気血の流れを妨げる。

– 例: 関節痛、腰痛、冷え性に伴う痛み。

 

  1. 湿邪(しつじゃ)による痛み

– 特徴: 重だるい痛み、場所が定まらず広がることがある。

– 原因: 湿気(湿邪)が身体に停滞し、気血の流れを阻害。

– 例: 関節リウマチ、梅雨時の頭痛や関節痛。

 

  1. 熱邪(ねつじゃ)による痛み

– 特徴: 焼けるような痛み、炎症や腫れを伴うことが多い。

– 原因: 身体の中に余分な熱が溜まり、気血の流れを妨げる。

– 例: 急性の炎症、口内炎、感染症による痛み。

 

  1. 風邪(ふうじゃ)による痛み

– 特徴: 痛みが移動する、予測できない場所で痛む。

– 原因: 外部からの風(風邪)が侵入し、気血の流れを乱す。

– 例: 風湿性関節炎、四肢の痛み。

 

  1. 虚証(きょしょう)による痛み

– 特徴: 鈍く持続的な痛み。疲労や休息不足で悪化。

– 原因: 気や血などの不足が痛みの原因。

– 例: 慢性的な腰痛、体力低下時の痛み。

 

東洋医学な治療アプローチ

– 気滞: 気を巡らせる(行気)。使用するツボ: 合谷、足三里 、陽陵泉、委中、申脈など。

– 血瘀: 血を流す(活血)。使用するツボ:  大椎・膈兪、内関、間使、三陰交、血海、太衝など。

– 寒邪: 身体を温める(散寒)。使用するツボ: 大椎、崑崙、太渓、腎兪、足三里など。 

– 湿邪: 湿気を取り除く(除湿)。使用するツボ: 脾兪、三焦兪、腎兪、膀胱兪、豊隆、尺沢、陰陵泉、復溜など。

– 熱邪: 熱を冷ます(清熱)。使用するツボ:  合谷、曲池、内庭、委中、太衝、十宣、十二井など。

– 風邪: 風邪を取り除く(去風)。使用するツボ:百会、風府、風池、翳風、風門など。

– 気虚: 補う(補気)。使用するツボ: 気海、関元、肺兪、心兪、肝兪、脾兪、腎兪、膏肓、陽池など。

‐ 血虚: 補う(補血)。使用するツボ: 血海、三陰交、照海、太渓、心兪、肝兪、脾兪、膈兪など。

‐ 陽虚: 補う(補陽)。使用するツボ: 気海、関元、肺兪、心兪、肝兪、脾兪、腎兪、膏肓、陽池など。₊温灸、灸頭鍼など。

‐ 陰虚: 補う(滋陰)。使用するツボ: 太渓、照海、復溜、三陰交、心兪、肝兪、脾兪、腎兪、内関、太衝など。

 

このように、東洋医学では痛みの種類を具体的に分類し、原因に応じた治療を行います。

痛みに効くツボは、痛みの種類や原因、場所に応じて異なりますので、問診・脈診・腹診などを行い具体的な症状に合わせた診断が必要です。

八軒さきがけ鍼灸整体院の全スタッフは、鍼灸師の資格を持っておりますので、痛みにお困りの方は是非ご相談ください。